プロジェクトストーリー #06
アップデートを続ける研修制度が
社員の「スキル」と
「つながり」を育む
アップデートを続ける
研修制度が
社員の「スキル」と
「つながり」を育む
Project
Story

PROJECT MEMBER

  • 写真:Y.Horiuchi
    Y.Horiuchi
    総務経理部 人事課長
  • 写真:S.Takeuchi
    S.Takeuchi
    北海道技術サービス部 担当課長
  • 写真:K.Hamano
    K.Hamano
    東京技術サービス部
  • 写真:H.Kawamata
    H.Kawamata
    東京営業部 営業1課
section01

制度化に向けてスタートした
「技術サービス研修」

日本熱源システムの技術サービス部には、納入する冷凍機の試運転立ち上げ、定期点検・保守メンテナンス、不具合対応を主な業務とするサービスエンジニアが在籍している。産業用冷凍機の構造や配管、プログラムなど多岐にわたる専門知識やスキルが求められるため、入社後はOJTを通じた丁寧な指導やスポットで勉強会を行い、会社が受講費用などを負担して資格取得をサポートしてきた。そこには、「日本の製造業全体が抱える技術者不足に備えて、育成のスピードを加速させる必要性」という背景がある。

採用活動や社員教育を主に担当する総務経理部人事課長の堀内は、日頃から技術サービス部の統括部長とコミュニケーションをとる中で、「技術者育成の難しさが課題であり、一緒に新しい社内教育の仕組みを作っていけたら」と、研修の制度化を推し進めた。「育成は企業の成長に不可欠なこと。「絶対にやろう」という意志のもとに、研修の技術的な部分に関わる内容の策定は統括部長にお願いし、私は講師や日程、その他各種手配などの運営面の調整から取り掛かりました」。
そして2024年10月に、社歴の浅いサービスエンジニアを対象とする「技術サービス研修」がスタートした。

第1回目の技術サービス研修が終わると、社内で思わぬ反響があった。「営業部の若い社員数名から、『その研修に参加したい』と申し出があり、統括部長と協議して、2025年4月に実施した第2回の研修には営業部の希望者にも参加してもらいました」と堀内。第2回目の研修終了後は、他部署の社員からも声が上がり、技術サービス研修は第3回目から部署を問わず希望者を対象とした学びの機会へと形を変えていった。
「回を重ねるごとに自発的に参加する社員が増えています。研修制度として整備するうえで新入社員には参加を義務付けていますが、誰もがとても意欲的です。その反応を見ると、教わる機会を持つことが安心につながるのだと感じています」と堀内は社員の成長意欲を強く感じると言う。

section02

「個の成長」と「社員同士のつながり」を創出

2025年8月、第3回目となる技術サービス研修は、技術サービス部、施工管理部、設計部、営業部から17名が参加し、滋賀工場で4日間にわたり実施された。初日は、技術顧問から冷凍サイクル、冷凍理論といった社員に必要な知識を座学で習得。2日目からは実習で、CO2冷凍機の試運転立ち上げを学ぶ。冷媒や潤滑油を抜き取って初期状態に戻した滋賀工場のCO2冷凍機を新たに立ち上げて、設定どおりに冷凍庫内が冷えているかの確認を終えるまで、その作業プロセスやスピード感を実務同様に体験した。

入社して丸一年をむかえる技術サービス部の濱野は、技術サービス研修の受講が前回に続いて2度目となる。感想を聞くと「前職は異業種のサービスエンジニアでしたが、それに比べると冷凍機は圧力や温度の管理に注意することが多く難しさを感じます。CO2冷媒を充填する時に、もし圧力を間違えてしまうとドライアイスになって固まり、作業遅延などでお客様に迷惑をかけてしまうんです。この研修を通じて理論から正しいやり方を学べるのはとても役に立ちます。パーツの取付作業ひとつでも、“やり方”は知っているものの、“やる理由”まで教えてくれるので勉強になります」と答えてくれた。

新卒入社した営業部の川又は、4月に続き、今回は自ら手を挙げて技術サービス研修を受講した。
「入社してすぐに滋賀工場に来て、CO2冷凍機の中身を見て、どこに何の部品があるのか知れたのはすごく貴重な体験でした。CO2冷凍機の試運転立ち上げでは、まず冷凍機内を真空状態にする必要があり、冷媒の流れる順番に沿って約20~30ヶ所もバルブの開閉をチェックします。文字で読んで単純作業だと思っていた「試運転」や「バルブチェック」が、実際はどれだけ大変で重要なことなのかを身をもって知ることができました。入社から3週間ほどで受講した4月の研修ではメモを取ることや聞くことだけで必死なところもありましたが、今回の2度目の受講で理解度が断然上がったと感じています」。

全国各地で働く社員が滋賀工場に集まり、部署を超えて交流を深めることも技術サービス研修の狙いだ。初めは静かだった休憩時間も、緊張がほぐれるにつれて、自然と会話が増えていった。
川又は、「優しい方が多くて話しかけやすく、自分の仕事についてお話したり、体験談をお聞きしたりと皆さんと親睦を深めることができました。メールや電話でやり取りしていた方とも、対面でコミュニケーションがとれたことでいろいろと聞きやすくなりました」と話してくれた。社員の顔を知り、一緒の時間を過ごせたことが、今後の仕事の安心感につながるという。
濱野は、「最終日の食事会でも、部内で固まらず、席替えもして他部署のいろいろな方とコミュニケーションをとりました。今後、自分のスキルが上がり、一人でいろんな業務を受け持つようになった時に、いろいろな相談ができる仲間ができ、情報を共有しやすい環境を整えられたかなと思います」と、知識や業務スキルの修得はもちろんだが、社内のつながりができたことも大きな収穫だと教えてくれた。

section03

アップデートを続けていく研修制度

統括部長と共に実習で講師を務める竹内は、特にCO2冷凍機に対する造詣が深いサービスエンジニアだ。指導にあたる時は、自分自身がまず「初心に戻り」、新入社員には噛み砕いた説明を、経験値の高い受講者には一歩踏み込んだ説明を心掛けている。「技術や機械、現場を知ることは、部署を問わずどの社員にも大きなアドバンテージになります。設計の改良、お客様対応など、各自の仕事に技術サービス研修を活かしてほしい」と受講者に期待を寄せる。
より良い研修プログラムを目指して、講師陣は準備と工夫を惜しまない。3回目となる研修では、技術者らしく新しい教材を作り上げた。「前回はバルブに関して、冷凍庫内での説明に寒すぎて時間を掛けられなかったんです。その反省を生かして、実習室でも動かせる教材用ユニットを統括部長に2つ作ってもらいました。設定や注意点が多いバルブなので、小グループに分けて丁寧にレクチャーしたかった」と竹内。「制御機器の設定も、後列の受講者が見にくそうにしていたので、別置きの教材を作りたい」と、受講者がより理解しやすい環境づくりに意気込みを見せた。

技術サービス研修を制度としてどう整備していくか、堀内に展望を聞くと「まずは年間プログラムに組み込んで、定例化していきたいです。例えば今年度だと、冷凍機の試運転立ち上げが集中する12月から3月を避けた、4月・8月の実施でしたが、このような形で毎年恒例の研修として実施していく。そうなれば、受講希望者がスケジュールを調整しやすくなるし、「研修が当たり前のものとして認識される」ようになります。
それから、研修終了後に提出してもらう受講者のレポートの精査、受講者が数年後どのようにスキルを発揮できているかの検証など、講師陣や関係者らと共に時間をかけて進めていけたら」と答えてくれた。
社員や講師の声、データを取り入れながら、研修制度はより質の高いプログラムへと進化を続けていくだろう。

アップデートを続ける研修制度が、社員一人ひとりのスキルアップを支援し、企業の競争力を高めていきます。そして、これから日本熱源システムに入社する仲間が不安なく仕事に取り組めるよう、成長を後押ししてまいります。

CO2充填の準備をする濱野社員

バルブチェックで締め付けを行う川又社員

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